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「旧車レストアで深刻なサビにも対応できるパテがあるらしい。」
旧車レストア業界において、亜鉛含有のパテ状補修剤『ジンクパテST』が静かな革命を起こしています。
従来の補修方法では対処困難だった深刻なサビ損傷にも対応できるジンクパテSTは、レストア愛好家の間で「最後の砦」として位置づけられ、使用事例が拡大しています。
本記事では旧車レストアの救世主であるジンクパテSTについて、概要や施工時の注意点などをわかりやすく解説しています。
旧車レストアの関係者は必見です。
旧車レストアの救世主『ジンクパテST』とは?
画像:日新インダストリー製めっき補修剤『ジンクパテST』
ジンクパテSTは、溶融亜鉛めっき面の凹部の厚盛り補修に最適なパテ状の補修剤です。
エポキシ樹脂に約90%の亜鉛末を充填することで優れた防錆力と密着性を発揮します。
ジンクパテSTの主な特徴は上記のとおりです。
誕生秘話や開発の経緯については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひお読みください。
参考記事:ジンクパテST誕生秘話!試行錯誤の末に完成したニッチ商品
ジンクパテSTが旧車レストアに適している理由
ジンクパテSTは、以下2点の理由で旧車レストアに適しています。
それぞれを詳しく確認していきましょう。
犠牲防食による長期での防錆
亜鉛を多量に含むジンクパテSTの最大の特徴は、亜鉛が鉄よりも先に腐食することで鉄を守る「犠牲防食機能」です。
この特徴によって、補修後に再びサビが発生することを効果的に抑制します。
数十年という長期間の使用を前提とする旧車レストアにおいて、極めて重要な役割です。
一般的な塗装では、塗膜バリアで水分や塩分といった外的要因から下地を守りますが、傷やピンホールが発生した場合は、そこからサビが進行しやすくなります。
ジンクパテSTは、仮に表面に傷が入っても、犠牲防食機能によって下地が直接腐食するリスクを低減可能です。
優れた密着性と作業性
ジンクパテSTは、密着性と作業性に優れためっき補修剤です。
防錆鋼板や高張力鋼板、アルミ板から通常鋼板まで幅広い下地に使用できます。
へら付け性に優れているため、凹凸のある補修面にも均一に塗布しやすく、肉盛り量の調整も容易です。
硬化後は十分な強度を保ちながら研磨性にも優れているので、成形作業をスムーズに進められます。
大面積や複雑なダメージ補修でも作業効率と仕上がり品質の両立を実現できるめっき補修剤です。
ジンクパテSTの基本的な使い方
ここからはジンクパテSTの基本的な使い方を確認していきます。
重要なポイントは以下のとおりです。
それぞれを具体的に確認していきましょう。
下地処理が重要
ジンクパテSTの性能を最大限に発揮させるためには、適切な下地処理が重要です。
補修前には、浮き錆や赤錆をワイヤーブラシやサンドペーパーなどで徹底的に除去し、清浄な金属面を露出させる必要があります。
これは、亜鉛と母材となる鉄との間に電気的な導通を確保し、犠牲防食効果を正しく機能させるためです。
下地にサビや汚れ、油分が残ったままでは、亜鉛が鉄と密着しないため、防錆機能が十分に働かなくなります。
補修直後は問題がなくても、時間の経過とともに再腐食が進行することも否定できません。
長期的な防錆性能を確保するためにも、下地処理は単なる前準備ではなく、防錆性能を左右する重要工程として位置づけることが大切です。
段階的な厚盛り
ジンクパテSTの厚付けが可能で穴まで埋められる特性を活かすことで、従来であれば鉄板の切除や溶接が必要だった比較的大きなサビ穴についても、段階的な厚盛りによる補修が可能です。
周囲との境界をなじませながら成形できるため、形状再現性にも優れています。
一度に厚く塗布すると硬化収縮による割れや歪みが起きやすくなりますが、複数回に分けて薄く塗り重ねることで、収縮歪みを最小限に抑え、内部まで均一に硬化させることが可能です。
ジンクパテSTを使うことで、強度と仕上がりの両立が図れ、溶接作業を避けたい部位の補修にも有効活用できます。
冬場の温度管理
ジンクパテSTは、常温での施工が基本となり、気温が高いと粘度が下がり、低いと粘度が上がるのが特徴です。
冬場は非常に硬くなって施工しにくくなるので、ヒーターやドライヤーで少しだけ温める方法もあります。
しかし、温めすぎると逆に柔らかくなりすぎて、垂れの原因にもなるため、温度管理には注意が必要です。
どうしても施工がしにくいという方は、日新インダストリーまでお問い合わせください。
状況をお聞きして、施工のアドバイスをさせていただきます。
ジンクパテSTの施工時の注意点
ジンクパテSTは、以下の注意点を意識して施工する必要があります。
施工時の注意点を守ることで、旧車レストアの際に効果的な使用が可能です。
それぞれを詳しく確認していきましょう。
施工環境の管理
ジンクパテSTは、湿度と温度が硬化特性に大きく影響するため、施工環境の管理が重要です。
相対湿度60%以下、温度20~25℃の環境下での施工が推奨されています。
特に冬場は夏場と比較して乾燥しにくくなりますので、温度管理が大切です。
段階的な品質確認
大面積の補修においては、全面施工に入る前に小面積でのテスト施工を行い、下地との密着性やパテの硬化特性を事前に確認することが大切です。
事前テストによって、下地処理の不足や加熱条件の不適合を早期に把握できます。
施工後は、24時間以内の初期硬化状態において表面硬度や研磨性を確認し、その後1週間程度を目安に完全硬化状態を確認しましょう。
こうした段階的な確認を行うことで、後戻り作業を防ぎ、安定した補修品質を確保できます。
ジンクパテSTの応用技術
旧車レストアで大活躍するジンクパテSTは以下の事例でも応用できます。
それぞれを以下で確認していきましょう。
サビが発生しやすい箇所の予防補修
旧車では、まだ目立った腐食が発生していない箇所であっても、構造上水分や汚れがたまりやすい部位から徐々に錆が進行します。
サビが顕在化する前に予防的な補修を行うことが、車両寿命を延ばすうえでは大切です。
フロアパネルの合わせ目、フェンダー裏、ドア下部、トランク周辺などは特に腐食リスクが高いため、ジンクパテSTを使って予防補修を行いましょう。
異種金属接合部の電食防止
旧車特有の課題として挙げられるのが、アルミやスチールなど異種金属の接合部で発生するガルバニック腐食と呼ばれる現象です。
電位の異なる金属が接触し、水分や電解質が存在すると、電気化学反応により一方の金属が優先的に腐食します。
アルミ部品とスチール部品の接合部にジンクパテSTを薄く塗布することで、電気的な緩衝層として機能し、同時に犠牲防食機能によって母材の腐食を抑制可能です。
接合部周辺の腐食進行を遅らせ、ボルト部やフランジ部の固着防止にも貢献します。
ジンクパテSTでの対策は、外観を損なわずに接合部の耐久性を高める手法として、旧車レストアにおいて有効です。
ジンクパテSTで旧車レストアの新時代を築こう
ジンクパテSTの普及により、これまで修復不可能とされてきた重度腐食車両の再生が可能となり、旧車文化に大きく貢献しています。
旧車レストアにおけるジンクパテSTの活用は、単なる補修技術を超えて、自動車文化の継承と発展に貢献する大切な技術です。
ジンクパテSTを使った旧車レストアについて興味がある方は、ぜひお気軽に日新インダストリーまでお問い合わせください。
一緒に旧車レストアの新時代を築いていきましょう。