コラム

COLUMN
開発秘話
2023/07/07
ジンクパテST誕生秘話!試行錯誤の末に完成したニッチ商品

「溶融亜鉛めっきの凹部の補修剤を探している!」そんなお客様におすすめなのが『ジンクパテST』です。

ジンクパテSTは日新インダストリーが開発した商品であり、溶融亜鉛めっきの凹部の補修用途で多くのお客様に愛用いただいております

本記事ではジンクパテSTの開発に至った経緯や試行錯誤の様子をお伝えします。

 

ジンクパテSTとは?

ジンクパテSTは、溶融亜鉛めっき面の凹部の厚盛り補修に最適なパテ状の補修剤です

エポキシ樹脂に約90%の亜鉛末を充填することで優れた防錆力と密着性を発揮します。

ジンクパテSTの特徴は以下のとおりです。

  • 亜鉛メッキ同等の防錆力がある
  • 衝撃や摩耗に強い
  • 硬化乾燥後は研磨加工が可能


ジンクパテSTは主剤と硬化剤のセットで販売しています。

主剤の容器に付属の硬化剤を全量投入して、ツヤが無くなるまで十分に撹拌した後、ヘラなどで補修部に塗りつけてご使用ください。詳細や使用例については、以下の商品ページで紹介しています。

商品ページ『ジンクパテST』

 

NiN Lab(ニンラボ)の開発姿勢

ジンクパテSTは日新インダストリーが展開するNiN Lab(ニンラボ)の商品です。

ニッチ中のニッチ商品(Niche in Niche)の略であり、以下の開発姿勢から生まれました。

  • 常識にとらわれない発想と技術で新しい価値を作る
  • お客様の悩みにとことん付き合う


誰も開発しない商品をあえて開発するという、日新インダストリー独自の開発姿勢を掘り下げて解説します。

 

常識にとらわれない発想と技術で新しい価値を作る

溶融亜鉛めっきの業界では、不めっき処理のように何十年も旧態依然のまま変わらないものが多くあります。

不めっき処理は該当箇所をガムテープの貼り付けや、不めっき剤と呼ばれる2液タイプのエポキシ樹脂塗料を塗布した後に耐熱テープで保護する方法が一般的です。

しかし、従来の方法ではトラブルも多く、お客様の中には「もっと楽に不めっき処理したい!」というニーズがありました。

日新インダストリーは、不めっき処理の常識に疑問を持ち、水性1液タイプの不めっき剤『めっきガード」を開発して、商品としてリリースしました

不めっき処理の失敗が起こりにくくなっただけでなく、環境にも優しく、新しい価値を創造した事例です。

『めっきガード』の商品ページ

参考記事:溶融亜鉛めっきの不めっき処理とは?失敗例や最新の不めっき剤を紹介

 

お客様の悩みにとことん付き合う

不めっき処理のように限られたニッチな用途では、専用品がなく代用品で仕方なく対応されているお客様が多くいらっしゃいます。

「こんな商品があったら助かるのに...。」というお客様の悩みにとことん付き合うのが日新インダストリーの開発姿勢です。

誰も開発しないものは、当然ながら儲からないものですが、お客様が悩んでいることは解決したいと日新インダストリーでは考えています

その考えで生まれたのがNiN Lab(ニンラボ)の商品ラインナップであり、多くのお客様から好評です。

 

ジンクパテST開発秘話

ここからはジンクパテSTがどのようにして生まれたのか、開発秘話をお伝えしていきます。

お客様の悩みと要望を解決していく過程をぜひご覧ください。

 

開発のきっかけは蓋を開けっぱなしの塗料

お客様の溶融亜鉛めっき工場を訪問した際、作業場にスーパージンクの1kg缶が置かれていました。

よく見ると蓋が開けっ放しだったので、蓋を閉めてもらうようにお願いしたところ「育てているからそのままでいい。」という返事がありました。

詳しく話を聞くと、溶剤を揮発させてドロドロの状態を作り、凹部を埋めるために使うとのことで、これがジンクパテSTを開発しようと思ったきっかけです

その後、他でも同じことをしているお客様が多いことがわかり、本格的に「粘土のような亜鉛塗料」の開発を進めていくことになります。

 

完成した試作品がハンマ試験で吹き飛ぶ

開発をスタートさせて1ヶ月ほどで試作品が完成します。

早速お客様のところに評価のために持ち込みしたところ「いい感じだね。」と言っていただき、凹部を埋めるために実際に使ってもらいました。

乾燥した後はうまくいったと思いましたが、お客様がハンマで該当箇所を叩いたところ...ポーンっと補修したパテが丸ごと吹き飛んで行ったのです

お客様からはハンマ試験に耐える密着性が欲しいと追加の要望をいただきました。

それからは毎日試作を作ってはハンマで試験を行う日々が続きます。

 

乾燥時間を捨てて密着性を重視して商品化に成功

試行錯誤の末、たどり着いたのが乾燥時間を捨てて密着性を重視することです

指で触れるまで2時間半、研磨が可能になるまで24時間以上と乾燥性は速くありませんが、密着性はかなり高められました。

表面はカチカチで中はフワフワで衝撃を吸収する感じです。

そして、ジンク塗料メーカーとして亜鉛は入れられるだけ入れました

こうして市販のパテと一線を画した『ジンクパテST』は完成したのです。

 

これからもお客様の悩みに寄り添うメーカーでありたい

ジンクパテSTはお客様の悩みを解決するために開発された商品であり、リリース後お客様から大変喜ばれています。

モデルガンの補修や古い車のレストアなど、溶融亜鉛めっきの凹部の補修以外でも好評です。

最近では、上の画像のようにネジ山の再修復でも使用できたとのお声もいただいております。

お客様の悩みに付き合うことで、確実に向上するのが開発力と技術力です。

今後も日新インダストリーではお客様の悩みにとことん付き合い、新商品の開発に情熱を注いでまいります

ジンクパテSTが気になる人はもちろんのこと、「こんな場所でも使えるの?」といった素朴な疑問でも良いので、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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そのためにも、お客様とのコミュニケーションを大切にしながら、今後も、皆様からの要望をもとに、製品の開発や改善、サービスに活かしてまいります。

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