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法律・規格
2026/10/30

橋梁の塗装系「C-5」と「Rc-Ⅰ」の違いとは?仕様や施工方法を解説

「橋梁の塗装工事の仕様書にC-5やRc-Ⅰの記号があるけれど、何を意味しているのかわからない...」とお困りではありませんか?

これらは、鋼材をさびから守るための塗装仕様(塗装系)を表す記号です。

C-5とRc-Ⅰでは、適用する場面や塗装前の処理方法が異なります。

両者の違いを理解するには、塗装系の基本的な意味に加え、素地調整や塗装工程についても知ることが大切です。

本記事では、C-5とRc-Ⅰの違い、施工工程、ほかの代表的な塗装系との違いを解説します。

仕様書を確認するときのチェックポイントも紹介するので、橋梁塗装の施工計画や塗料選定に役立ててください。

 

そもそも塗装系とは?

橋梁の塗装系「C-5」と「Rc-Ⅰ」の違いとは?仕様や施工方法を解説

塗装系とは、素地調整(下地処理)、下塗り、中塗り、上塗りといった一連の工程と、そこで使用する塗料の組み合わせを規定したものです。

橋梁の分野では「鋼道路橋防食便覧」などの基準類で体系化されており、記号によって分類されています。

「この環境の橋には、この下地処理と、この塗料の組み合わせを使用する」という設計図のようなものだと考えると理解しやすいでしょう。 

橋梁の塗装系には、新設時に適用するものと、既設橋梁の塗替え時に適用するものがあり、記号の体系も分かれています。

新設時は「A-5」「C-5」のようにアルファベットと数字で表され、一般外面ではC-5が重防食塗装系、A-5が良好な環境向けの一般塗装系です。

一方、塗替えには「Rc-Ⅰ」「Rc-Ⅲ」のように「R」から始まる記号が用いられ、末尾のローマ数字は素地調整の程度(1種~4種、詳しくは後述)に対応しています。

代表的な記号が、新設用の「C-5」と塗替え用の「Rc-Ⅰ」です。両者は適用する場面や素地調整の方法などが異なります。

 

C-5は主に新設橋梁向け、Rc-Ⅰは既設橋梁の塗替え向けの塗装系であり、適用する場面や素地調整の方法などが異なります。

ただし、記号だけで具体的な施工内容をすべて判断できるわけではありません。

実際の工事では、発注者の仕様書や適用する基準を確認し、使用塗料や塗付量、塗膜厚、塗装間隔などを把握することが大切です。

 

塗装系の「C-5」と「Rc-Ⅰ」の違い

比較項目

C-5

Rc-Ⅰ

主な用途

新設橋梁

既設橋梁の塗替え

対象となる表面

新たに塗装する鋼材

旧塗膜やさびを除去した既設鋼材

塗装前の主な作業

素地調整・清掃

旧塗膜やさびの除去・素地調整

施工のポイント

新設鋼材の表面状態を整え、防食塗膜を形成する

旧塗膜の除去と素地調整を適切に行い、再塗装する

仕様確認の要点

指定された塗料・塗装工程・塗膜厚

旧塗膜の除去範囲・素地調整・新しい塗装工程

C-5とRc-Ⅰは、どちらも橋梁の鋼材を長期間にわたって保護するための重防食塗装系です。

大きな違いは、主に新設橋梁に適用するか、既設橋梁の塗替えに適用するかという点にあります。

  • C-5は新設橋梁向けの重防食塗装系
  • Rc-Ⅰは既設橋梁の塗替え向けの重防食塗装系

それぞれの違いを確認しましょう。

 

C-5は新設橋梁向けの重防食塗装系

橋梁の塗装系「C-5」と「Rc-Ⅰ」の違いとは?仕様や施工方法を解説

C-5は、新設時に鋼材表面を適切に処理し、防食性能と耐候性を備えた塗膜を形成することを目的とした塗装系です。

代表的な施工工程では、まず製鋼工場でブラスト処理を行い、無機ジンクリッチプライマーを塗装します。

その後、橋梁製作工場で二次素地調整を実施し、無機ジンクリッチペイントによる防食下地を形成します。

さらに、エポキシ樹脂塗料によるミストコート・下塗り、ふっ素樹脂塗料による中塗り・上塗りを行い、鋼材を腐食や紫外線などから保護します。

施工時は、素地調整後の鋼材表面の状態や塗装間隔、各層の塗膜厚などを適切に管理することが大切です。

また、塗装後には膜厚や外観を検査し、指定された仕様を満たしているか確認します。

 

Rc-Ⅰは既設橋梁の塗替え向けの重防食塗装系

Rc-Ⅰは、既設橋梁の旧塗膜やさびを全面的に除去し、防食下地から塗り替える重防食塗装系です。

施工では、ブラスト処理による1種素地調整を行い、鋼材表面を適切な状態に整えます。

その後、有機ジンクリッチペイントで防食下地を形成し、変性エポキシ樹脂塗料の下塗り、ふっ素樹脂塗料の中塗り・上塗りを行います。

塗装前の処理が不十分だと、塗膜の付着性や防食性能に影響するおそれがあるため、素地調整後の表面状態を適切に管理することが大切です。

また、既設橋梁の塗替えでは、ブラスト処理が可能な作業環境かどうかも確認する必要があります。

旧塗膜に有害物質が含まれている可能性もあるため、事前調査や飛散防止、廃棄物処理などの条件も施工計画に反映しましょう。

 

C-5とRc-Ⅰの施工工程を比較

橋梁の塗装系「C-5」と「Rc-Ⅰ」の違いとは?仕様や施工方法を解説

C-5とRc-Ⅰの大きな違いは、塗装前に行う準備作業です。

C-5は新設鋼材を対象とするため、ブラスト処理などで表面を整えた後、指定された塗料を順番に塗り重ねます。

一方、Rc-Ⅰは既設橋梁の塗替えに用いられるため、劣化した旧塗膜やさびを除去する必要があります。

旧塗膜を除去する際は、周辺環境への飛散防止対策や、発生した廃棄物の適切な処理が重要です。

どちらの塗装系でも、気温や湿度、鋼材表面の状態、塗装間隔などの管理が欠かせません。

実際の施工では、適用する仕様書を確認し、指定された素地調整や使用塗料、塗膜厚などの条件を守ることが大切です。

 

代表的な塗装系の違い

橋梁の塗装系には、C-5やRc-Ⅰのほかにも、さまざまな種類があります。

代表的な塗装系の特徴を以下の表にまとめました。

塗装系

位置づけ

素地調整

主な用途

C-5

新設・重防食塗装系

ブラスト処理(1種ケレン)

新設橋梁に高い防食性能を確保する場合

Rc-Ⅰ

塗替え・重防食塗装系

ブラスト処理(1種ケレン)

旧塗膜を全面除去し、防食下地から塗り替える場合

Rc-Ⅲ

塗替え・一般塗装系

3種ケレン(活膜は残す)

劣化した塗膜やさびを除去し、健全な旧塗膜を残して塗り替える場合

Rc-Ⅳ

塗替え・一般塗装系

4種ケレン(簡易な清掃)

旧塗膜に欠陥がなく、美観の改善が目的の場合

C-5とRc-Ⅰは、ジンクリッチペイントなどによる防食下地を設ける重防食塗装系です。

一方、Rc-ⅢとRc-Ⅳは、健全な旧塗膜を残して塗り替える一般塗装系に分類されます。

Rc-Ⅰは、旧塗膜を全面的に除去し、防食下地から塗り替える仕様です。

一方、Rc-Ⅲは、劣化した塗膜やさびを除去し、健全な旧塗膜を残して塗り替える仕様です。

Rc-Ⅲは、旧塗膜を全面除去するためのブラスト処理を基本としないため、施工条件によっては工期や費用を抑えられる可能性があります。

ただし、残した旧塗膜の状態が新しい塗装の防食性能に影響するため、事前の調査が重要です。

このように、塗装系を選ぶ際は、旧塗膜の劣化状況だけでなく、既存の塗料の種類や施工条件、求められる防食性能などを総合的に判断する必要があります。

 

素地調整(ケレン)の4つの種類と特徴

橋梁の塗装系「C-5」と「Rc-Ⅰ」の違いとは?仕様や施工方法を解説

素地調整とは、塗装する前に鋼材表面のさびや旧塗膜、汚れなどを取り除き、塗料が適切に付着できる状態に整える作業です。

一般に「ケレン」とも呼ばれます。

素地調整は、作業の程度によって1種から4種に分類されます。

どの方法を採用するかによって、施工時間や使用機材、養生の範囲、廃棄物の量などが変わります。

種類

一般的な作業の考え方

主な確認事項

1種

ブラスト処理などで旧塗膜やさびを除去し、鋼材面を整える

ブラスト施工の可否、飛散防止、研削材や旧塗膜の回収

2種

動力工具などを用いて旧塗膜やさびを広範囲に除去する

除去範囲、工具の使用条件、仕上がり状態

3種

劣化した塗膜やさびを除去し、健全な旧塗膜を残す場合がある

残す塗膜の状態、除去範囲、段差処理

4種

粉化物や汚れなどを除去して表面を清掃する

汚れの除去状態、塗装面の清浄度

素地調整は、塗装の耐久性を左右する重要な工程です。

さびや劣化した塗膜が残っていると、塗料の付着不良や早期の腐食につながるおそれがあります。

施工計画を立てる際は、指定された素地調整の種類に加え、現場での施工性、周辺環境への影響、作業時間、廃棄物の処理方法なども確認しましょう。

 

塗装仕様書を確認する際のチェックポイント

塗装仕様書を確認するときは、塗装系の記号だけで判断せず、施工条件や検査基準まで確認することが重要です。

着工前に、次の項目を整理しておきましょう。

チェック項目

確認する内容

指定された塗装系と適用基準

C-5、Rc-Ⅰなどの記号、発注者の仕様書、適用する基準の版

素地調整の種類

1種~4種などの指定、旧塗膜の除去範囲、表面状態の基準

使用塗料と塗付量

下塗り・中塗り・上塗りの塗料、製品名、塗付量

塗膜厚さと塗装間隔

各層の指定膜厚、塗り重ね可能時間、乾燥条件

旧塗膜の状態

劣化や腐食の程度、有害物質の事前調査の要否

作業環境と廃棄物処理

養生・飛散防止、ブラスト施工の可否、回収物の処理方法

検査方法

膜厚、外観、施工記録などの確認項目と判定基準

注意したいのは、塗装系の記号だけで使用塗料や膜厚を決めないことです。

同じ塗装系の名称でも、採用する仕様や塗料の種類によって詳細な条件が異なる場合があります。

仕様書の記載が不明確な場合や、現場の状態と指定内容が一致しない場合は、自己判断で施工方法を変更せず、発注者や設計者に確認しましょう。

 

亜鉛めっき面のための塗装系(Rzc-Ⅰ)

橋梁や鋼構造物には、鋼材表面に溶融亜鉛めっきを施して防食する部材もあります。

亜鉛めっき面は、一般的な塗装鋼材とは表面の性質が異なるため、塗替え時には適切な素地調整や塗料の選定が必要です。

Rzc-Ⅰは、溶融亜鉛めっき面を対象とする塗替え塗装系です。

代表的な仕様では、素地調整を行った後、亜鉛めっき用エポキシ樹脂塗料の下塗り、ふっ素樹脂系塗料の中塗り・上塗りによって塗膜を形成します。

ただし、亜鉛めっき面の全面的な塗替えと、傷や溶接跡などの局所的な補修では、求められる施工内容が異なります。

実際の工事では、対象面の状態や適用する塗装仕様を確認し、適切な補修方法や塗料を選定することが重要です。

 

部分的な傷や補修に適した塗料

橋梁や鋼構造物では、全面的な塗替えだけでなく、施工時に生じた傷や加工部、局所的な塗膜の損傷などを補修する場面もあります。

補修方法を検討する際は、対象が一般鋼材なのか、亜鉛めっき面なのかを最初に確認しましょう。

亜鉛めっき面の傷や溶接跡、切断面などの補修には、亜鉛を含むジンクリッチペイントが選択肢になります。

ジンクリッチペイントは、塗膜に含まれる亜鉛の犠牲防食作用によって、鋼材の腐食を抑えることが特徴です。

ただし、十分な防食性能を確保するには、補修箇所のさびや汚れを除去するなど、適切な素地調整が欠かせません。

また、既存塗膜との適合性や指定された補修仕様を確認したうえで、使用する塗料を選定しましょう。

■日新インダストリーのジンクリッチペイントシリーズはこちら

 

C-5とRc-Ⅰの違いを理解し、適切な塗装仕様を確認しよう

C-5は主に新設橋梁向け、Rc-Ⅰは既設橋梁の塗替え向けの重防食塗装系です。

両者の違いを理解するには、用途だけでなく、塗装前の素地調整や施工工程まで把握することが重要です。

また、Rc-ⅢやRc-Ⅳ、Rzc-Ⅰなどの記号は、それぞれ対象となる旧塗膜や表面、素地調整の考え方が異なります。

記号だけで判断せず、仕様書で使用塗料、塗付量、塗膜厚、塗装間隔、検査基準などを確認しましょう。

部分的な傷や亜鉛めっき面の補修では、対象面と補修範囲に合った塗料を選ぶことも大切です。

日新インダストリーでは、亜鉛めっき面の補修に適したジンクリッチペイントを取り扱っています。

塗装仕様や施工条件などを確認したうえで 、最適な製品を提案します。

橋梁の塗装系「C-5」と「Rc-Ⅰ」の違いとは?仕様や施工方法を解説

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