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法律・規格
2026/04/06

NETISの現在運用されている種類はA・VE・VRの3つ|掲載終了後のAG・VGとの違いも解説

「工事の仕様書にNETISと書かれているのをよく見かけるけれど、何を表すものかよくわからない...。」とお困りではありませんか?

NETISは単なる技術データベースではなく、工事の評価や品質に直結する重要な仕組みです。どの区分の技術を選ぶかによって、現場での評価や提案の通りやすさが大きく変わります。

本記事では、NETISの基本概要から、種類の違い、そして現場でどの技術を選ぶべきかまで、わかりやすく解説しています。

NETISについて詳しく知りたい方は必見です。

 

NETISとは?基本概要を解説

NETIS(ネティス)とは、国土交通省が運営する「New Technology Information System(新技術情報提供システム)」の略称で、公共工事における新技術の活用を促進するために整備された制度のことです。

建設業界では新しい技術があっても「実績がない」という理由で採用されにくいという課題がありました。

NETISはこの課題を解決するために、新技術を登録・公開し、現場での活用を後押しする役割を担っています。

NETISに登録された技術情報は、インターネットを通じて誰でも閲覧可能です。

技術名称、開発企業、技術の概要、従来技術との比較、活用効果などが詳細に公開されており、発注者や施工者が新技術を検討する際の重要な情報源となっています。

なお、NETISを中核とする制度の名称は、2024年4月の実施要領改正により「公共工事等における新技術活用システム」から「公共工事等における新技術活用スキーム」へ変更されています。現在も旧称で記載された資料が多く流通しているため、あわせて押さえておくとよいでしょう。

出典:NETIS「『新技術活用システム』を『新技術活用スキーム』に名称変更しました。~“公共工事等における新技術活用スキーム”実施要領の改正~」

 

NETISの仕組み

NETISの現在運用されている種類はA・VE・VRの3つ|掲載終了後のAG・VGとの違いも解説

NETISに技術を登録するには、開発企業が申請を行い、審査を通過する必要があります。

審査では、以下のポイントが確認されます。

  • 新規性
  • 安全性
  • 経済性
  • 従来技術との比較優位性

なお、登録の前提となる「新技術」は、実施要領において次のように定義されています。

  • 技術の成立性が、技術を開発した民間事業者等により実験等の方法で確認されていること
  • 実用化している公共工事等に関する技術であること
  • 当該技術の適用範囲において、従来技術に比べ活用の効果が同程度以上の技術、または同程度以上と見込まれる技術であること

登録後は、実際の公共工事で活用され、その結果が評価されていきます。

この「現場での実績」が、技術の評価ランクを左右する重要な要素です。

 

出典:国土交通省 近畿地方整備局 近畿技術事務所「NETISについて」

NETISの現在運用されている種類(識別記号)は3つ

NETISの現在運用されている種類はA・VE・VRの3つ|掲載終了後のAG・VGとの違いも解説

NETISの登録番号は、末尾にアルファベットが付いています。これは「情報種別記号」と呼ばれ、その技術が評価のどの段階にあるかを示すものです。

現在運用されている記号は、以下の3つです

区分

位置づけ

掲載期間

事後評価

A

事後評価が実施されていない技術

登録した翌年度から10年間

活用効果調査表5件で事後評価の対象

VR

評価済み技術のうち、継続調査等の対象とする技術

登録した翌年度から10年間

評価後、活用効果調査表10件で次の事後評価の対象

VE

評価済み技術のうち、継続調査が不要な技術

登録した翌年度から10年間

評価後、事後評価は行わない

NETISの公式検索画面にも「登録番号での検索時は、情報種別記号(-A、-VR、-VE)の入力は不要です」と記載されており、現在の運用がこの3つであることが確認できます。

出典:国土交通省 近畿地方整備局 近畿技術事務所「NETISについて」

NETIS登録番号の読み方

登録番号は、次の要素で構成されています。ここでは「KT-170072-VE」を例に見ていきましょう。

部分

意味

KT

登録した整備局の略記号

17

登録年度(2017年度)

0072

登録順番号(72番目)

VE

情報種別記号

整備局の略記号は、CB(中部)、CG(中国)、HK(北海道)、HR(北陸)、KK(近畿)、KT(関東)、QS(九州)、SK(四国)、TH(東北)、OK(沖縄)です。

なお、アルファベット3文字目の「K」は港湾技術を表します。

 

A 

Aは、事後評価が実施されていない技術です。NETISに登録されたばかり、または活用実績が十分に蓄積されていない段階の技術となります。

掲載期間は登録の翌年度から10年間です。

今後の活用を通じて評価されていく「育成中」の位置づけであり、新規性は高いものの、現場での検証はこれからというケースが多くなります。

そのため、導入にあたっては施工条件やリスクを慎重に見極めることが大切です。

直轄工事等で活用され、活用効果調査表が5件以上登録されると、事後評価の対象となります。

VR

VRは事後評価済みの技術のうち、一度評価は行われたものの、「さらなる調査が必要」と判断された技術です。

重要なのは、評価がまだ確定していない途中段階であるという点です。一定の実績はあるものの、評価が固まっていないため、採用時には慎重な判断が求められます。

現場条件との適合性や、過去の活用事例の内容を十分に確認したうえで導入することが大切です。

なお、VRの技術は評価後も活用効果調査表の提出が必要で、10件が登録されると次の事後評価の対象となります。

VE

VEは事後評価済みの技術のうち、現場での活用実績に基づき、有効性が確認され、継続調査の必要がないと判断された技術です。

評価が完了しているため、発注者と施工者の双方にとって採用しやすい区分となります。

VEの技術については、活用効果調査表の提出は原則不要です(フィールド提供型、テーマ設定型で活用する場合を除く)。

 

識別記号に優劣はない

ここで注意したいのが、これらの記号は技術の優劣を示すものではないという点です。

記号が示しているのは、その技術が事後評価を受けた段階にあるかどうかという「評価のプロセス上の位置」です。Aの技術は登録されてから日が浅く、評価を受ける機会がまだ訪れていないだけというケースも多くあります。

技術を選定する際は、記号だけで判断せず、適用範囲、適用条件、活用効果の内容まで確認することが重要です。

 

NETISの掲載期間が終了すると記号が変わる

掲載期間が終了すると、登録番号の末尾の記号が以下のいずれかへと変わります。

NETISのAG・VGとは

AG・VGは、掲載期限が終了した技術に付く記号です。国土交通省の資料では「掲載期限が終了した(新技術ではなく一般)技術」と定義されています。

掲載終了前

掲載終了後

A(事後評価が実施されていない技術)

AG

VE・VR(事後評価済みの技術)

VG

 

つまり、掲載期間を終えた技術は、NETIS上では「新技術」として扱われなくなり、NETISの「新技術の検索」で検索しても、結果に表示されなくなります。

実際に、掲載中の技術と掲載終了済みの技術で、登録番号による検索結果を比較しました。

登録番号

記号

検索結果

詳細ページの直接閲覧

KT-170072

VE(掲載中)

1件

可能

KT-120090

AG(掲載終了)

0件

可能

NETISの検索機能は、現在掲載中の技術(A・VR・VE)を探すためのものです。掲載が終了した技術は「新技術ではなく一般技術」として扱われるため、検索の対象から外れます。

ただし、技術の情報そのものが消えるわけではありません。登録番号がわかっていれば、NETISの技術詳細ページを直接開いて内容を確認できます。

また、国土交通省は「NETIS掲載期間終了技術リスト」を公開しており、どの技術がいつ掲載終了となったかを一覧で確認することも可能です。

「カタログにNETIS登録と書いてあるのに、NETISで検索しても出てこない」という場合、その技術はすでに掲載期間が終了している可能性があります。登録番号の末尾がAGまたはVGになっていないか確認してみてください。

NETISの掲載期間

NETISの掲載期間は、登録した翌年度から10年間です。

掲載期間中に「推奨技術」「準推奨技術」に選定された場合は、15年間に延長されます。

この「原則10年」というルールは、令和5年4月1日の実施要領改正により統一されたものです。それ以前は、登録の翌年度から5年間を基本とし、評価情報の掲載により延長される仕組みでした。古い資料には旧ルールが記載されている場合があるため、注意が必要です。

出典:NETIS「NETIS登録技術の掲載期間を統一的に原則10年に変更しました。~“公共工事等における新技術活用システム”実施要領の改正(令和5年4月1日改正)~」

 

NETISの評価の仕組み

AがVEやVRに変わるのは、「事後評価」という手続きを経たときです。登録から評価までの流れを追うと、それぞれの記号が何を意味しているのかが見えてきます。

ステップ1:登録され、「申請情報」が掲載される

技術開発者がNETISに登録申請を行い、受付窓口の確認を経て登録されると、技術の内容が「申請情報」として掲載されます。この段階の記号がAです。

申請情報は、あくまで技術開発者からの申請に基づく情報です。NETISの利用上の注意事項でも「その内容について、国土交通省及び評価会議(整備局等)が評価等を行っているものではない」と明記されています。Aの技術がまだ評価を受けていない、というのはこの状態を指しています。

 

ステップ2:直轄工事等で活用される

登録された技術は、発注者が指定する場合や、施工者が提案する場合など、さまざまな形で直轄工事等に用いられます。ここから実績の蓄積が始まります。

 

ステップ3:活用のたびに活用効果調査が行われる

技術が活用されるたびに、発注事務所と施工者が「活用効果調査表」を作成・提出します。ここで確認されるのは、従来技術に対する優位性です。

  • 技術的事項:工程、品質・出来形、安全性、施工性、環境 など
  • 社会的事項:経済性 など

つまりNETISの評価は、単に「性能が良いかどうか」ではなく、現場で使ったときに従来技術と比べてどれだけ効果があったかを見るものだといえます。

 

ステップ4:調査表が5件以上たまると評価会議にかけられる

活用効果調査表が5件以上登録されると、新技術活用評価会議で事後評価が実施されます。

評価会議は産官学の構成で、各整備局ごとに設置されています。

 

ステップ5:評価結果に応じてVEまたはVRになる

事後評価を経ると、その結果が「評価情報」としてNETISに掲載され、記号が変わります。

  • 継続調査が不要と判断された技術 → VE
  • 継続調査等の対象となった技術 → VR

VRになった技術は、その後も活用効果調査表の提出が必要で、10件が登録されると次の事後評価の対象となります。VRからVEへ変わる可能性があるのはこのためです。

有用な新技術の4分類

NETIS登録技術の中には、記号とは別に「有用な新技術」として位置づけられるものがあります。実施要領では、次の4つが定められています。

  • 推奨技術:公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために選定された画期的な新技術
  • 準推奨技術:上記と同様だが、推奨技術と位置づけるためには更なる発展を期待する部分がある新技術
  • 評価促進技術:公共工事等に関する技術水準等を高めることが見込める技術
  • 活用促進技術:総合的に活用の効果が優れている、特定の性能または機能が特に優れているなどとして、新技術活用評価会議が指定した有用な新技術

このうち推奨技術・準推奨技術・評価促進技術は国土交通省本省が選定し、活用促進技術は地方整備局側で指定される仕組みです。

これらは識別記号(A・VE・VR)とは別の枠組みです。「A」は活用促進技術を意味するものではありませんので、混同しないよう注意してください。

 

出典:国土交通省報道発表「令和8年度推奨技術等として計24技術を選定」

NETIS登録技術を使うメリット

NETIS登録技術を活用する施工者や発注者には、以下のように大きなメリットがあります。

  • 工事成績評定での加点
  • 工期短縮、品質向上、安全性向上、環境負荷低減
  • 情報収集の効率化

NETIS登録技術を活用することで、評価面だけでなく実務面でも多くの効果が期待できます。

従来工法と比較して効率化や品質向上が図れる技術が多く、結果として工事全体のパフォーマンス改善が可能です。

公開されている技術情報や活用実績をもとに、適切な技術選定がしやすくなり、検討や比較にかかる手間を削減できます。

発注者にとっては、VE提案の促進もメリットです。

施工者からNETIS技術を用いた価値向上提案(VE提案)を受けることで、当初計画よりも高品質で高効率な工事実現の可能性が広がります。

 

工事成績評定での加点

このうち、実務上とくに大きいのが工事成績評定での加点です。

試行申請型(請負契約締結後提案の場合)および施工者選定型により施工者が新技術の活用を提案し、実際に工事で活用された場合、活用の効果に応じて加点の対象となります。

活用する技術

活用の効果

配点

事後評価未実施技術(-A)

相当程度

2

事後評価未実施技術(-A)

一定程度

1

事後評価未実施技術(-A)

従来技術と同程度

加点対象外

事後評価実施済技術(-VR、-VE)

相当程度

2

事後評価実施済技術(-VR、-VE)

一定程度

1

事後評価実施済技術(-VR、-VE)

従来技術と同程度

加点対象外

事後評価実施済技術かつ有用とされる技術

効果にかかわらず加算

1

 

「相当程度」とは、大幅な工期短縮や飛躍的な施工の効率化が図られた技術など、工事推進に対して大きな効果をもたらしたものを指します。「一定程度」は、従来技術と比較して効果は認められるものの、工事全体としては影響が小さいものを指します。

加点を行うのは主任技術評価官で、最大2点の加算です。主任技術評価官の評価割合は40%であるため、実加点は2×40%=最大0.8点となります。

この配点は令和6年4月公告分から変更されています。以前の基準(最大3点、実加点1.2点)を記載した資料も多く流通しているため、最新の基準を確認するようにしてください。

 

新技術活用は原則義務化されている

また、国土交通省は令和2年度より、直轄土木工事における新技術の活用を原則として義務化しています。

公共工事に関わる施工者にとって、NETIS登録技術の活用はすでに前提条件になりつつあります。

出典:国土交通省報道発表「直轄工事における新技術活用の推進について~直轄土木工事における新技術活用の原則義務化~」

NETISに登録するメリット(技術開発側)

ここまでは技術を使う側の視点で見てきましたが、技術を開発し登録する側にも多くのメリットがあります。

主なメリットは以下のとおりです。

  • 技術の公的な認知と信頼性の向上
  • 公共工事での採用機会の増加
  • 技術力のアピールと企業ブランディング
  • 継続的な改良の機会

NETISに登録されることで、国の制度に裏付けられた技術として広く認知され、営業活動においても信頼性の高い訴求が可能です。

公共工事での提案機会が増えることで市場拡大にもつながります。

 

また実際の現場で得られるフィードバックをもとに技術改良を重ねることで、製品価値の向上と競争力強化を実現できる点も、技術開発企業にとっては大きなメリットです。

日新インダストリーのNETIS登録製品

日新インダストリーでは、ジンク塗料の専門メーカーとして、これまでに以下3種類のNETIS登録技術を取得しています。

  • マザックス、マザックスネオ(KT-170072-VE)
  • アクアシールドスプレー(KT-220041-VE)
  • 変性エポスプレーNEXT(KT-120090-AG ※掲載終了)

それぞれの特徴を確認していきましょう。

 

マザックス、マザックスネオ(KT-170072-VE)

NETISとは?A・VR・VEの違いと仕組みをわかりやすく解説

マザックス、マザックスネオは、高耐食性めっき鋼板の補修を目的として開発された塗料で、塗料中に亜鉛の他、アルミニウムやマグネシウムを含んでおり、高耐食性めっき鋼板と同配合なのが特徴です。

この特徴により、耐食性の向上と薄膜での施工が可能となるため、施工性の向上が図れます。

NETISでは事後評価済み技術としてVE区分に登録されており、あわせて令和7年度の「活用促進技術」にも選定されています(いずれも2026年3月23日から)。

 

NETIS登録ページ:マグネシウム含有亜鉛末塗料「マザックス」(KT-170072-VE)

日新インダストリー商品ページ:『マザックス』 『マザックスネオ』

 

アクアシールドスプレー(KT-220041-VE)

NETISとは?A・VR・VEの違いと仕組みをわかりやすく解説

アクアシールドは、長期防錆が可能なエアゾールスプレー式の水系塗料で、溶剤系塗料に比べて臭気や有害性が低く、環境と作業者双方に配慮できるのが特徴です。

防錆顔料にリン酸亜鉛を配合しており、高い防錆力を誇ります。

また変性エポキシ樹脂がベースとなっており、高い密着性が特徴の塗料です。

エアゾールスプレー式のため、混合や洗浄の手間がいらず、作業者の熟練度を問わず、誰でも均一に塗装できます。

NETISでは2026年2月16日に事後評価済み技術となり、VE区分の技術として登録されています。

 

NETIS登録ページ:アクアシールドスプレー(KT-220041-VE)

日新インダストリー商品ページ:『アクアシールド』

 

変性エポスプレーNEXT(KT-120090-AG ※掲載終了)

NETISとは?A・VR・VEの違いと仕組みをわかりやすく解説

変性エポスプレーNEXTは、2液形変性エポキシ樹脂塗料でありながら、エアゾールスプレー化を実現した製品です。

缶内で2液を混合撹拌する方式のため、従来の計量・混合という作業が不要になります。

防食性と密着性に優れた2液形変性エポキシ樹脂塗料を、エアゾールスプレー化した画期的な補修塗料であり、局所的な傷やサビの補修に最適な塗料です。

本製品はNETISの掲載期間が終了しているため、記号が「-A」から「-AG」に変わっており、NETISの検索結果にも表示されません。

しかし、前述のとおり、掲載終了は技術の価値が失われたことを意味するものではなく、現在でも多くの現場で愛用されています。

 

NETIS登録ページ:変性エポスプレーNEXT(KT-120090-AG)

日新インダストリー商品ページ:『変性エポスプレーNEXT』

 

まとめ:NETISを正しく理解して技術を活用しよう

NETISは単なる制度ではなく、技術選定と工事評価に直結する重要な仕組みです。

A・VR・VEの違いを正しく理解することで、技術の位置づけを把握できるだけでなく、現場に適した選定が可能になります。

また、掲載期間が終了するとAG・VGへ記号が変わり、検索にも表示されなくなるという点は、実務上つまずきやすいポイントです。カタログの表記とNETISの表示が食い違う場合は、登録番号から現在の状態を確認するようにしましょう。

NETISを正しく活用し、より高品質で効率的な工事の実現につなげていきましょう。

 

日新インダストリーでは、長年の技術開発と現場でのノウハウを活かし、溶融亜鉛めっき鋼板の補修や防食に特化した製品を販売しています。公共工事での防食対策でお悩みの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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