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豆知識
2025/10/01
防錆塗料の種類はどう使い分ける?それぞれの特徴をわかりやすく解説

「防錆塗料を探しているけれど、種類が多くて何を選べばよいかわからない...。」とお困りではありませんか?

防錆塗料には、ジンク塗料を初めとしてエポキシ系塗料やフッ素樹脂系塗料など数多くの種類があり、それぞれの特徴を知れば、使い分け方が見えてきます

本記事では防錆塗料の必要性や役割について解説し、代表的な4種類を紹介します。

防錆塗料の特徴やメリット・デメリットを知りたい方は必見です。

 

防錆塗料の必要性

防錆塗料の種類はどう使い分ける?それぞれの特徴をわかりやすく解説

金属を使用する構造物や設備にとって、サビは避けては通れない大きな課題です。

鉄や鋼材は空気中の酸素や水分と反応することで酸化して、サビが進行します

サビが広がると、見た目が悪くなるだけでなく、金属の強度が低下して、設備や構造物の寿命を大きく縮めかねません。

特に屋外で使用される部品や構造物などは、雨風や紫外線にさらされるため、サビが発生しやすくなります。

サビを防ぐ最も代表的な方法が、防錆塗料の活用です

表面を塗料で覆うことで金属と外部要因の接触を断てるので、サビの進行を抑えられます。

適切な防錆塗料を選んで施工することで、設備や構造物を長期的にサビから守れるため、メンテナンスコストの削減にも役立ちます。

 

防錆塗料の役割

防錆塗料には、大きく分けて以下3つの役割があります。

  • バリア機能
  • 化学的防錆
  • 犠牲防食(ジンク塗料のみ)


バリア機能は、全ての防錆塗料に当てはまる役割です。

金属表面に塗料を塗って塗膜を形成することで、酸素や水分を遮断してサビを防ぎます。

化学的防錆は、塗料に含まれる防錆顔料や化学成分によってサビを抑える役割です。

例えば、リン酸塩系の防錆顔料は金属表面と反応して、薄いバリア層を形成します。

犠牲防食は、ジンク塗料にのみ当てはまる役割です

鉄よりも先に亜鉛が酸化する性質を利用しており、塗膜に傷がついても亜鉛が犠牲となって鉄を守る仕組みです。

 

主な防錆塗料の種類とメリット・デメリット 

種類

メリット

デメリット

ジンク塗料

・強力な防錆性能

・補修用途にも有効

・犠牲防食作用

・色の種類が限られる

エポキシ系塗料

・高い密着性

・耐薬品性に強い

・下塗り材に適する

・紫外線に弱い

・屋外ではチョーキングが起きやすい

ウレタン系塗料

・仕上がりが美しい

・耐候性が良い

・トップコートに適する

・防錆力は中程度

・長期防食には不向き

フッ素樹脂系塗料

・耐久性が非常に高い

・塗替え周期を大幅に延長できる

・コストが高い

上の表は以下4つの防錆塗料について、メリットとデメリットをまとめたものです。

  • ジンク塗料
  • エポキシ系塗料
  • ウレタン系塗料
  • フッ素樹脂系塗料


それぞれの特徴について確認しておきましょう。

 

ジンク塗料

防錆塗料の種類はどう使い分ける?それぞれの特徴をわかりやすく解説

ジンク塗料は、塗料に含まれる亜鉛の粉末が鉄よりも先に酸化する「犠牲防食機能」を利用した防錆塗料です

溶融亜鉛めっき処理された鉄鋼の溶接部や切断部の補修では、特に効果を発揮します。

ジンク塗料の防錆効果は、塗料に含まれる亜鉛粉末の量に左右されます。

量を増やせば防錆力が高まりますが、その分仕上がりの色調が暗くなるのがデメリットです。他の防錆塗料と比較すると、選べる色に限りがあります。

以下の記事で、ジンク塗料について詳しく解説していますので、合わせてお読みください。

参考記事:ジンクリッチペイントとは?亜鉛含有量との関係や防錆メカニズムを解説

 

エポキシ系塗料

エポキシ系塗料は、高い強度や耐薬品性などを兼ね備える熱硬化性プラスチックであるエポキシ樹脂を主成分とした塗料です

鉄などの素材と高い密着性を誇り、バリア性に優れているため、防錆塗料としても十分な機能を発揮します。

紫外線に弱いのがエポキシ系塗料のデメリットです。屋外で長期間使用すると、塗料の顔料が粉状になって表面に現れる「チョーキング現象」が起こります。

このデメリットを補うために、上塗り塗料に耐候性のある塗料を組み合わせるのが一般的です。

 

ウレタン系塗料

防錆塗料の種類はどう使い分ける?それぞれの特徴をわかりやすく解説

ウレタン系塗料は、弾力性を持ち、耐摩耗性に優れるウレタン樹脂を主成分とした塗料です

形成される塗膜に弾力があるため、膨張や収縮に追従しやすく、ひび割れを防ぐ効果があります。耐候性も良いため、屋外の構造物や外装の仕上げに広く利用される防錆塗料です。

美観に優れるウレタン系塗料ですが、ジンク塗料やエポキシ系塗料と比較すると、防錆力はやや劣ります。

そのため、他の塗料と組み合わせて使用されることが多い塗料です。

 

フッ素樹脂系塗料

フッ素樹脂系塗料は、樹脂の中でも耐候性と耐久性がトップクラスであるフッ素樹脂を主成分とする塗料です

紫外線や塩害に強いため、過酷な環境で使用される橋梁や高速道路の構造物、大型プラント設備などメンテナンスが難しい箇所で真価を発揮します。

デメリットは他の防錆塗料と比較すると、コストが高いことです。

ただし、一度施工すると長期的に防錆力を発揮できますので、長い目で見れば経済的な選択となるケースもあります。

 

防錆塗料を選び、使い分けるポイント

防錆塗料の種類はどう使い分ける?それぞれの特徴をわかりやすく解説

防錆塗料を選び、使い分けるためには、以下3つのポイントを確認することが大切です。

  • 使用環境(屋外か屋内か、海沿いか内陸か、化学薬品が存在するか)
  • 必要な耐久年数(数年ごとに塗り替えできるか、長期間ノーメンテナンスか)
  • コストバランス(初期投資を抑えるか、長期的なランニングコストを抑えるか)


例えば、使用環境が屋内でクリーンな環境であれば、そこまで高い防錆性能は求められないので、エポキシ系やウレタン系塗料でも十分ですが、塩害地域や橋梁のようなメンテナンスが難しい箇所では、フッ素樹脂系塗料を選択した方が良い場合もあります。

鉄系素材の防錆であれば、亜鉛による「犠牲防食作用」を兼ね備えたジンク塗料が効果的です

 

補修用ジンク塗料なら日新インダストリー

防錆塗料の種類はどう使い分ける?それぞれの特徴をわかりやすく解説

防錆塗料にはいくつかの種類がありますが、使いやすさと高い防錆性能を両立させたいのであれば、ジンク塗料がおすすめです

日新インダストリーは、補修用ジンク塗料の専門メーカーであり、塗料缶からエアゾールスプレーまで幅広いラインナップを取り揃えております。

日新インダストリーのジンク塗料のラインナップはこちらより

 

中長期的に構造物や設備をサビから守りたいのであれば、定期的な補修が欠かせません。

ぜひ補修用塗料として日新インダストリーのジンク塗料をご検討ください。お気軽なお問い合わせをお待ちしています。

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