豆知識
2025/05/15
溶融亜鉛めっきの耐用年数と経済性|環境別の目安と他工法との比較
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「溶融亜鉛めっきは初期費用が高いから、経済性を考えて他の工法を選んだ方がいい?」とお考えの人もいらっしゃるでしょう。
確かに溶融亜鉛めっきは初期費用が比較的高額です。しかし、溶融亜鉛めっきの耐用年数の長さとメンテナンスフリー性能を考慮するとそれだけで経済性が悪いと判断してはいけません。
本記事では溶融亜鉛めっきと他の防錆処理の経済性を比較しています。経済性から防錆処理を選びたい方は必見です。
溶融亜鉛めっきとは?
溶融亜鉛めっきは、溶けた亜鉛の中に鉄や鋼などの金属を浸けてめっき処理する工法です。
金属の表面に亜鉛の皮膜を形成することで、以下2つの作用が得られるため、防錆力が高まります。
犠牲防食作用:表面に傷が付いた時に鉄より先に亜鉛が溶けだして鉄を保護する
保護皮膜作用:亜鉛の酸化皮膜で酸素や水分から鉄を保護する
建材など大型のものから複雑形状のものまで幅広く処理できる工法であり、耐用年数の長さと経済性にも優れています。
溶融亜鉛めっきの耐用年数と経済性
溶融亜鉛めっきの経済性には以下の特徴があります。
・施工費用は高くなる傾向
・耐用年数が長くて経済的
・メンテナンスフリーでコストを抑えられる
・ライフサイクルコストが優れている
それぞれの特徴を掘り下げて確認していきましょう。
施工費用は高くなる傾向
溶融亜鉛めっきは、塗装や電気亜鉛めっきなど他の防錆処理と比較して初期の施工費用が高額になる傾向です。
亜鉛めっき槽にワークを漬けて処理する溶融亜鉛めっきは、他の工法と比較して対応できる業者が限られており、作業工数も多くなります。
めっき工場が遠方になる場合は輸送コストも高額になり、初期費用が増える可能性があります。
耐用年数が長くて経済的
溶融亜鉛めっきの耐用年数は、使用される環境条件にもよりますが、一般的に50年以上と言われています。耐用年数が通常5~10年程度の塗装など他の工法と比較すると圧倒的に長いのが特徴です。
耐用年数の長さは、めっき厚と腐食速度から次の式でおおよその目安を求めることができます。
耐用年数(年)= めっき厚(μm) ÷ 腐食速度(μm/年)
使用環境別の目安
例えば、一般構造物向けのHDZ 55クラス(めっき厚55μm以上/JIS H 8641)を都市部の一般的な屋外環境(腐食速度:約1.0〜1.8μm/年)で使用した場合、おおよそ30〜55年の耐用年数が期待できる計算になります。
腐食速度は使用環境によって大きく異なります。以下は、ISO 9223(大気腐食性分類)および日本溶融亜鉛鍍金協会の資料に基づくめっき厚別・環境別の耐用年数目安です。
※上記は目安です。実際の耐用年数は施工条件・形状・維持管理状況によって異なります。
(出典:ISO 9223の腐食速度範囲およびJIS H 8641のめっき厚から算出した目安値)
前述したとおり、初期の施工費用は高額になりますが、他の工法より圧倒的に耐用年数が長いため、長期的な視点で考えると非常に経済的だといえるでしょう。
メンテナンスフリーでコストを抑えられる
溶融亜鉛めっきの最大のメリットは、基本的にメンテナンスフリーであるということです。
犠牲防食作用と保護皮膜作用によって、小さな傷が入っても自己修復するため、定期的な点検やメンテナンスが最小限で済みます。
防錆塗装に自己修復機能はないため、傷が入るとさびが進行しやすくなります。定期的なメンテナンスでコストがかかるため、長期的には溶融亜鉛めっきの方が経済性が高くなるでしょう。
特に高所やアクセスが難しい場所に設置される場合は、修繕作業が難しいため、溶融亜鉛めっき製品を使うことで、大きなコスト削減効果をもたらします。
ライフサイクルコストが優れている
溶融亜鉛めっきは初期の施工費用こそ高額ですが、メンテナンスフリーで耐用年数が長いため、廃棄されるまでのライフサイクルコストで他の工法と比較しても非常に経済的です。
複雑な形状のワークであっても施工できる柔軟性があり、メンテナンスフリーで長年対応できる点でもライフサイクルコストが優れているといえるでしょう。
他の防錆処理との経済性を比較
(使用環境・めっき厚により異なる)
上記は代表的な防錆処理を簡単に比較した表です。
溶融亜鉛めっきは初期費用こそ他の工法と比較して高額ですが、耐用年数が非常に長い上にあらゆる形状のワークに対して施工できるのが特徴です。
特にインフラ整備や長期使用を前提とした製品では、メンテナンスフリーで使用できる溶融亜鉛めっきの経済的なメリットは大きく、今後も幅広い分野で使用されるでしょう。
まとめ:溶融亜鉛めっきは耐用年数・経済性に優れた工法です
溶融亜鉛めっきの経済性は単に初期費用だけでは測れません。
メンテナンスフリーで長期間使えるため、運用コストの観点では非常に経済性が高いといえます。
耐用年数が長く、長寿命の溶融亜鉛めっきですが、さらに長く使用していくためには、予防保全の意味でも定期的なメンテナンスがおすすめです。
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