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お久しぶりです、こんにちは、こんばんは、おはようございます。





一般社員のKです。
皆様、お久しぶりでございます。
最近は、めっぽう暑くなって遂にスイカバーも解禁してしまいました。
蚊にも刺され始めたし、夏の始まりを感じますねぇ。
さてさて話は変わりますが、
先日事務所のベランダで一息ついていると
足元にほったらかしになったテストピースを発見しました。
実際のことを言うと前から気づいてはいたのですが、
正体不明ということもあり今の今まで聞かずにきてしまいました。
今日は、その正体を暴くために
先輩社員Hさんに謎のテストピースを持って尋ねてみました。
一般社員K「ずっと置いてあるこれってなんでしょうか?」
先輩社員H「これねぇ、なんだろうね。ゴミじゃない?」
まさかのゴミという答え。。。
それなら、TK社長に聞くしかない!ということで、社長に突撃。
一般社員K「これってゴミですか?ゴミなら処分しますよ。」
TK社長「あー、そんなんあったな。忘れてたわ。それ、製品の暴露試験してる板だわ。
てへぺろ。」
聞けば、ずいぶん前にスタートさせた製品の暴露試験中の板だというのです。
その理由というのも、
その当時に化粧塗料であるガルバーコート(https://www.nissin-industry.jp/galvarcoat/)をさび面に直接塗ってしまう話を多く聞き、
実際にどの程度でさびが露出してくるのかを調査する目的だったそうな。
いつから開始しているのか気になり開始時期を調べてみると、
なんと2015年の11月!! 気づけば6年も経過している。。。
開始当初は、こまめに観察していたものの
時の流れに身を任せすぎてすっかり忘れていたご様子。
しかも、てへぺろって。まったく、しっかりしてほしいものです。ぷんぷん。
前置きが長くなりましたが、
せっかくなのでこの暴露試験の途中経過を皆様と一緒に見ていきたい!!
というのが今回のコラムの内容です。
まず、暴露試験の内容からご説明しますと、、、
下地となっているのは、このさび鋼板。
あえて、下地処理は一切せずにさびはそのままで使用。
マスキングを施しまして、
左から
・化粧塗料の「ガルバーコート」のみ
・高濃度亜鉛末塗料の「ジンクZ96」のみ
・「ジンクZ96」の上に「ガルバーコート」
を塗布して屋外のベランダで放置させ経時変化を観察!!
本来であれば、さびの上からジンクZ96のようなジンク塗料を塗布しても
鉄素地とジンク塗料の間にあるさびが邪魔をして
せっかくの亜鉛による「※犠牲防食作用」が働かず、さびが広がっていくはず。
ガルバーコートも化粧塗料であり、防錆効果は期待できないので
同じくさびは進行していくであろうと予想して試験を実施。
※犠牲防食作用:鉄よりもイオン化傾向の大きい亜鉛が、先に溶け出すことで電気化学的に鉄を保護することで、鉄の腐食を防ぐ作用のこと。
要は、さびの処理をしないで
さびの上から化粧塗料の「ガルバーコート」と
高濃度亜鉛末塗料の「ジンクZ96」を塗布したらどうなるの?
っていうのがこの試験の知りたいところですね。
さてっ!流れが分かったところで、ここからは経年変化を見ていきまっしょう!!
まず、経過写真の一発目は塗ってから7日後、2ヶ月後、3ヶ月後。
この頃はまではちゃんと記録していた様子。
7日後は、まだまださびの進行も出てきておりませんね。
このくらいじゃ、まだまだ大丈夫みたいです。
お次は、翌年2016年の1月(塗装から2ヶ月後)。新年早々写真撮ったみたいです。
右側のジンクZ96は異常なし。
ガルバーコートには、ちょっとさびが出てきているような気がしますね。
さらに1カ月後(塗装から3ヶ月後)の2月。
う〜ん。ガルバーコートのさびがちょっと進行したかな。って感じです。
全体の変化は大きくは感じませんね。
次は8ヶ月後、12ヶ月後。
いや、いきなり飛びましたね。既に軽く忘れている予感です。
画像上の8ヶ月後は、ガルバーコートのさびが進行して
表面にもさびが浮いてきているのが分かります。
ジンクZ96の単体塗りとガルバーコートとの重ね塗りは異常なしです!
そして画像下!ついに1年が経ちました!!
ガルバーコートのさびは進行して増えてきてるけれど、
ジンクZ96を下塗りしたところは問題ないですね!!
1年が経過してもジンクZ96にここまで変化がないのは驚きです。
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そして、この写真を最後に経過写真が見当たらなくなりました。。。
どんなに探しても、写真は見つかりません。
7月の写真で飛んだ時に怪しいと思いましたが、
まさか1年で忘れられるとはテストピースも思っても見なかったでしょう。
そして、約5年の時を経て2021年8月現在の写真です。
さすがにガルバーコートはさびまみれですが、
驚きなのは右側のジンクZ96と上塗りでガルバーコートを塗布したもの。
色調の変化は経時であるものの、さびの進行があまり見られないですね!
さび面への塗布で、ガルバーコートだけではさびが進行するのは予想通りでしたが、
ジンクZ96を下塗りしていれば異常が見られないのは驚きです。
これは亜鉛による防錆効果もありますが、
ジンクZ96に採用しているエポキシ樹脂の力も大きいかと。
密着力に優れるエポキシ樹脂の底力かもしれませんね。
今回はこの様な結果となりましたが、
あくまでジンク塗装仕様書にも記載している通り、
2種ケレン以上の下地処理をしてから塗布して頂くことを推奨します!
また、きっと忘れ去られている社内実験が見つかるかと思うので、
その時にはまたご報告致します。
それでは、さよならさよならさよなら。
〈使用製品〉
○ガルバーコート https://www.nissin-industry.jp/galvarcoat/
●ジンクZ96 https://www.nissin-industry.jp/zincz96/